今回は日本で食品の安全性に関する法整備が進まない理由に関してのお話です。

日本の食品は安全というイメージがある人は多いと思いますが、それは発展途上国と比べた場合です。

先進国の中では食品の安全性に関する法整備はまだまだ進んでいません。

それはなぜでしょうか?

 

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食品の安全性とは?

今回お話するのは、主に外食やスーパーマーケットでのお話です。

食品を提供する企業は、消費者が食品を摂取することによって生じるリスク(食中毒など)を回避する責任があります。

その責任を明確にするのが法律です。

法律がなければ、どこまでのリスク回避を行えば問題ないのかという基準が無く、まさに無法地帯となります。

 

特に法規制が進んでいないのが外食

日本で特に法規制が進んでいないのが外食産業です。

実際にいくつかの事例を挙げます。

  1. 自分で焼く牛肉が「結着肉」だった
  2. 生物(なまもの)を提供している
  3. 提供前の金属探知を行わない

などが挙げられます。

 

1の自分で焼く牛肉が「結着肉」だったという事例のリスクは、

普通の牛肉は寄生虫のリスクが無く、レアの状態で食べれるという常識があります。

表面には大腸菌(腸管出血性大腸菌含む)等の食中毒菌が潜むリスクが高いので調理を行います。

しかし、その常識のもと、提供された結着肉の牛肉を同様に表面のみを焼いた場合は食中毒のリスクがあります。

結着肉は、細かく刻んだお肉を牛脂や出汁などと混ぜて再結合し作る肉なので、本来表面にしかついていない食中毒菌が、お肉の中にもタップリ混ざった状態となります。

そのお肉を表面のみ焼いて食べてしまうので、食中毒のリスクがありますよね。

問題点は、生の状態(あるいは半生の状態)で提供し顧客に調理をさせている、という提供方法です。

日本の法律では「どこかによく火を通してお食べ下さい」などと「よく焼く旨」を記載していれば、法的リスク(指導・指示・営業停止など)を避ける事が出来るんです。

ですが、本来の消費者目線の法律をしくのであれば、結着肉のリスクを知らない人も中にはいるので、不十分な法律となります。

規制を厳しくするのであれば、「顧客に調理させる」という状態を規制し、ready to eatの状態で提供することを条件としなければなりません。

 

2の生物を提供しているという事例のリスクは、

単純に生物には食中毒のリスクがあります。

これは新鮮な食材であれば、食中毒菌の個体数もまだ少なく、食中毒のリスクが少ないという勘違いが生まれてしまいます。

そうです。勘違いなんです。

食中毒菌には嫌気性細菌というものがあります。

これは、酸素の無いところでのみ繁殖が出来るという細菌です。

食中毒の原因として多い食中毒菌はカンピロバクターなどです。

酸素にさらすことで食中毒菌が繁殖できないという事は、単純に新鮮であればあるほど、食中毒のリスクが高まるというお話になります。

このリスクを避けるには「なまものの提供禁止」という法整備が必要になります。

火を通していない食品はすべて食中毒のリスクがあります。

アメリカでは生卵の提供も禁止している州があります。

消費者を守るには必要だと思います。

 

3の提供前に金属探知を行わないという事例のリスクは、

調理器具の破片が食品に混入した場合にも気付けないというものです。

例えば調理中に包丁の刃が欠けて、食品に混入したとしましょう。

口の中で気付けばまだ良いにしろ、気付かずに飲み込んだら大変です。

消化器官を傷つけてしまう可能性もあります。

食品提供前の金属探知は重要な項目です。

 

このようにさまざまなリスクを回避するための法整備がまだまだ進んでいないのが現状です。

 

なぜ法整備が進まないのでしょうか?

 

理由その1:日本の食文化を守りたい

日本の食文化を守りたいというものがあります。

お寿司を筆頭に日本では生食の料理が多いのが和食です。

実際に日本食は健康的で美味しいものが多い(塩分が多いですが…)のでその日本食を守っていきたいというお話もあります。

 

理由その2:外食産業が大きな打撃を受ける

外食産業が大きな打撃を受けます。

まず今ある一般的な焼肉屋さんは営業できなくなるでしょう。

さまざまな戦略はあるにしろ、商品提供の選択肢がかなり少なくなってしまうのは外食産業にとって痛手です。

 

理由その1が法整備の進まない理由のほぼメインとなります。

しかし、商品として提供する以上、健康被害があったら食べた人の自己責任というわけにはいきません。

日本の食品安全に関する壁はまだまだ大きいですね。